競馬を含め、ギャンブルで勝つためには「ルール(仕組み)を理解し、ルールの穴をつく」という考え方がとても重要です。
さて、日本の競馬の配当は「パリミュチュエル方式」というもので決定されている事をご存知でしょうか。
これは競馬だけでなく、競艇や競輪・宝くじなども含め、国内の公営ギャンブルはすべてこの方式が採用されています。
では、パリミュチュエル方式とは一体どんなルールなのでしょうか?
この記事では、海外競馬などで採用されている「ブックメーカー方式」との違いを比較しながら、わかりやすく解説していきます。
もくじ
日本の競馬で採用されているパリミュチュエル方式とは?
日本の競馬で採用されている「パリミュチュエル方式」とは、「売上から胴元が”一定割合”を差し引いて、残りの金額を当選者(的中者)に配分する方法」の事を言います。
これにより「投票券(馬券)を購入した時点では配当が確定せず、締め切り後に初めて配当が確定する仕組み」になるのがこの方式の特徴です。
パリミュチュエル方式の”一定割合”とは、競馬で言うと券種ごとに設定されている「払戻率」の事なので・・・
「単勝の売上からJRAが20%を差し引いて、残りの80%を的中者に配分する」
JRAの単勝(払戻率80%)を例にすると、このようになります。
つまり、単勝の売上金額がいくらになっても、人気がどれだけ偏ったとしてもJRAの取り分は売上の20%という事が最初から決まっていて、売上から20%を引いた80%を的中者で分け合う形になります。
これが、日本の競馬で採用されているパリミュチュエル方式という配当を決定する方法です。
ちなみに、JRAでは券種ごとに異なる払戻率が設定されているので、例えば馬連(払戻率75%)の場合、JRAの取り分は25%になります。
胴元の取り分は最初から決まっているので、日本の競馬はJRAとの戦いではなく、プレーヤー同士でお金を取り合うギャンブルと考えるのが正しいです。
日本の競馬で採用されている払戻の計算方法
日本の競馬はパリミュチュエル方式が採用されていますが、払戻の計算方法がちょっと特殊なのでこちらも解説しておきます。
・単勝馬券の売上が1,000万円、その内的中馬券に投票された金額が200万円の場合
→ 800万円 ÷ 1(的中組合せ数) = 800万円
→ 800万円 + 200万円(的中馬券に投票された金額) =1000万円
→ 1000万円 × 0.8(払戻率) = 800万円(取り分を引いた払戻に使われる金額)
→ 単勝配当 → 800 ÷ 200 = 4 → 4.0倍
無駄にややこしい計算になっていますが、先にハズレ馬券に投票された金額を的中組合せ数で割ってから的中馬券に投票された金額を足しているのがポイントです。
今回は単勝を例にしたのでこれでもシンプルな計算ですが、これが複勝の場合だと的中組合せ数が1 → 3に増えてさらにややこしい計算になります。
パリミュチュエル方式とブックメーカー方式の違い
一方、海外競馬などで採用されている「ブックメーカー方式」とは、「胴元が提示している配当(オッズ)を見て投票券(馬券)を購入できる方法」の事を言います。
つまり、ブックメーカー方式では購入時点で的中時の配当が確定します。
パリミュチュエル方式とブックメーカー方式の違いも、まさにこの「配当が確定するタイミング」になります。
- パリミュチュエル方式 → 締切まで配当が確定しない
- ブックメーカー方式 → 購入時点で配当が確定する
先ほどの計算方法のように、細かく見ていくと違いは色々ある訳ですが、購入者側としてはこの違いをルールとして覚えておけばOKです。
パリミュチュエル方式の競馬で有利に戦う方法
パリミュチュエル方式とブックメーカー方式の違いを比較すると、パリミュチュエル方式で有利に戦う方法が見えてくるのではないでしょうか。
- 馬券の発売は数時間~数日前から開始されている
- 締切まで配当が確定せず、ギリギリまでオッズが動く
- 直前にならないと得られない情報がある(馬体重・パドックなど)
・・・この3点から、パリミュチュエル方式(特に競馬)はとにかく直前に購入した方が有利に戦えることがわかります。
競馬は馬の状態がレースの結果に大きな影響を及ぼしますが、肝心の馬の状態を精査できる馬体重やパドックなどの情報がレース直前まで得られません。
・・・にも関わらず、馬券は数時間前や、重賞になると数日前から発売されています。
これがブックメーカー方式なら問題ありませんが、パリミュチュエル方式で締切まで配当が確定しない事を考えると、事前に馬券を購入するのはかなり不利になるリスクがあります。
極端な例ですが「馬体重大幅減 + パドックで大暴れの馬」なんて普通は買いませんよね。
しかし、馬体重が発表される前に馬券を購入してしまうと、こういった馬を買ってしまう危険性があります。
このような馬が好走する可能性も全然ありますが、馬の状態を知らないまま事前に投票された分は間違いなく過剰投票になります。
過剰投票されている馬 = 期待値が低い馬ですから、こういった馬を避けて馬券を買えば、当然有利になります。
つまり、パリミュチュエル方式の競馬はなるべく締切直前に購入するようにする事で有利に戦うことができます。
まとめ:パリミュチュエル方式とブックメーカー方式の違いは「配当が確定するタイミング」
- パリミュチュエル方式 → 締切まで配当がわからない
- ブックメーカー方式 → 購入時点で配当が確定する
パリミュチュエル方式とブックメーカー方式の違いをわかりやすくまとめると、大きな違いは上記の「配当が確定するタイミング」になります。
パリミュチュエル方式を理解すると、日本の競馬では早めに馬券を購入するメリットが一切ない事がわかります。
ブックメーカー方式ならいつ買っても問題ありませんが、パリミュチュエル方式の競馬はなるべく締切直前に購入するようにする事で有利に戦うことができるので、ぜひ覚えておいてください。